1.趣旨
公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下、「組織委員会」と
いう。)は、東京2020大会において、「持続可能性に配慮した運営計画」(2017年1月)に基づき、
「環境」、「社会」及び「経済」の側面を含む幅広い持続可能性に関する取組を推進する。

その中で、組織委員会は、大会の準備・運営段階の調達プロセスにおいて、大会開催のために
真に必要な物品・サービスを調達していくとともに、経済合理性のみならず持続可能性にも配慮
した調達を行うことを通じてその社会的責任を果たしていくべきと考えており、その具体を検討
するための原則として、「持続可能性に配慮した調達コード 基本原則」(2016年1月)を策定し
ている。

また、この間に国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」においても、「持続可能な消
費及び生産のパターンを確保する」という目標が設定されているが、東京2020大会において持続
可能性に配慮した調達に取り組むことは、企業や公共部門における持続可能な慣行の導入・促進
を含め、社会全般における消費・生産パターンの変革というレガシーにつながるものである。

この「持続可能性に配慮した調達コード」においては、上記基本原則の下、持続可能性に関わ
る各分野の国際的な合意や行動規範(「持続可能な開発目標」、「パリ協定」、「世界人権宣言」、「ILO
多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言(ILO中核的労働基準を含む)」、「国連グローバ
ル・コンパクト」、「OECD多国籍企業行動指針」「国連ビジネスと人権に関する指導原則」など)を
尊重し、法令遵守を始め、地球温暖化や資源の枯渇などの環境問題や人権・労働問題の防止、公
正な事業慣行の推進や地域経済の活性化等への貢献を考慮に入れた調達を実現するための基準や
運用方法等を定める。

その上で、組織委員会は、本調達コードの遵守を、サプライヤー、ライセンシー及びサプライ
チェーンをはじめとする関係者との共同の取組として推進するとともに、SDGsが掲げる持続可能
な消費及び生産の形態が確保された社会の実現に向けて、本調達コードと同様の取組が拡大し、
デリバリーパートナーやサプライヤーを含め広く社会に持続可能性を重視する姿勢が定着するよ
う働きかけていく。


2.適用範囲
本調達コードは、組織委員会が調達する物品・サービス及びライセンス商品(以下、「調達物品
等」という。)の全てを対象とする。これには、パートナー企業から調達するものを含む。
組織委員会は、サプライヤー及びライセンシーに対し、調達物品等の製造・流通等に関して、
調達コードを遵守することを求める。また、組織委員会は、サプライヤー及びライセンシーに対
し、それらのサプライチェーンも調達コードを遵守するように働きかけることを求める。
調達コードの遵守やサプライチェーンへの働きかけの方法については、5.担保方法に規定する
方法に従うものとする。


3.調達における持続可能性の原則
組織委員会は、持続可能性に配慮した大会の準備・運営を実現するため、透明性やデュー・デ
ィリジェンスの概念を含む4つの原則に基づいて持続可能性に配慮した調達を行う。

 

<4つの原則i> 

(1)どのように供給されているのかを重視する 

(2)どこから採り、何を使って作られているのかを重視する 

(3)サプライチェーンへの働きかけを重視する 

(4)資源の有効活用を重視する  

 

また、組織委員会は、調達総量の抑制に努めるとともに、調達物品等が、選手、大会スタッフ、

観客など全ての関係者にとって、安全かつ衛生的であり、また、関係者の宗教的・文化的多様性

に十分配慮され、差別・ハラスメントのないものとなるよう留意する。 

 

 

4.持続可能性に関する基準 

 4つの原則を踏まえ、調達物品等に関して、サプライヤー及びライセンシー並びにそれらのサプライチェーン(以下、「サプライヤー等」という。)に求めることを、持続可能性に関する基準として以下のとおり定める。

 

(1)全般 

①法令遵守 サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、各国現地法及び国際法を含め、関係する法令等を遵守しなければならない。 

 

②報復行為の禁止 

 サプライヤー等は、法令違反や差別、調達コード違反等の行為を通報した者に対し、通報したことを理由として報復行為を行ってはならない。 

 

 

(2)環境 

現在、日本国内では環境に関する法令や各種方針・ガイドライン等の整備が進んでいることから、組織委員会の調達においても、「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」(平成12年法律第100号)に基づく調達を原則とし、環境負荷低減のために国や東京都等が策定する方針等(国の「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」や東京都の「東京都グリーン購入推進方針」及び「東京都環境物品等調達方針(公共工事)」等)に定める水準を満たす物品・サービスを求めることとする。 

その上で、個別の物品・サービスの環境性能等については、「持続可能性に配慮した運営計画」において定める目標等も踏まえて指定することとする。 

 また、物品・サービスそのものの性能についてだけでなく、その製造・流通等においても、環境負荷を低減するための配慮がなされるよう求めていく。 

 

①省エネルギー 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等における消費エネルギーの低減に取り組むべきである。その例として、低炭素型原材料の使用、省エネルギー効果の高い設備・物流の導入や建物の断熱化、エネルギー管理システムの導入等が挙げられる。 

 

②低炭素・脱炭素エネルギーの利用 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等に関して、CO2排出係数のより低いエネルギーを使用すべきである。その例として、再生可能エネルギーや天然ガスなどCO2排出のより少ない燃料等に由来する電気や熱を使用することが挙げられる。 

 

③その他の方法による温室効果ガスの削減 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等における温室効果ガスの発生低減に取り組むべきである。その例として、ノンフロン冷媒(自然冷媒)を用いた冷凍冷蔵機器等への代替、オフセット・スキームの活用等が挙げられる。 

 

④3R(リデュース、リユース、リサイクル)の推進 

サプライヤー等は、調達物品等に関して、汎用品の活用や分離・分解の容易な構造の採用等 により、大会後に再使用・再生利用しやすい製品とすべきである。 

 サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通において、再生品や再生資源を含む原材料を利用すべきであり、また、廃棄物の発生抑制や再使用、再生利用のほか、再使用・再生利用ができない場合のエネルギー回収などの方法で資源の有効利用に取り組むべきである。 

 

⑤容器包装等の低減 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、製品自体の容器包装や、製品を詰める箱、輸送用パレットなどの梱包・輸送資材の最小化に取り組むべきである。また、再使用・再生利用しやすい容器包装及び梱包・輸送資材を使用すべきである。 

 

⑥汚染防止・化学物質管理・廃棄物処理 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、各種環境法令に基づき、大気・水質・土壌等の汚染を防止し、化学物質(製品に含有するものを含む)を適切に管理し、また、廃棄物を適切に処理しなければならない。また、サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、環境や人間の健康への悪影響の回避に取り組むべきである。 

 

⑦資源保全に配慮した原材料の採取 

サプライヤー等は、調達物品等に関して、森林・海洋などからの資源を使用する場合には、違法に採取・栽培された資源を使用してはならない。また、サプライヤー等は、調達物品等に関して、資源の保全に配慮して採取・栽培された原材料を使用すべきである。 

 

⑧生物多様性の保全 

サプライヤー等は、調達物品等に関して、資源保存や再生産確保のための措置が講じられていない絶滅危惧種の動植物に由来する原材料を使用してはならない。また、サプライヤー等は、原材料の採取・栽培時を含む調達物品等の製造・流通等において、希少な動植物の保全、生物やその生息環境への影響の少ない方法による生産等により、生物多様性や生態系への負荷の低減に取り組むべきである。 

(3)人権
組織委員会は、「このオリンピック憲章の定める権利および自由は、人種、肌の色、性別、性的指向、言語、宗教、政治的またはその他の意見、国あるいは社会のルーツ、財産、出自やその他の身分などの理由による、いかなる種類の差別も受けることなく、確実に享受されなければならない」というオリンピック憲章の理念を強く支持する。また、ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包摂性)の観点を重視する。

①国際的人権基準の遵守・尊重
サプライヤー等は、調達物品等に関して、人権に係る国際的な基準(特に世界人権宣言、人種差別撤廃条約、自由権規約、社会権規約、拷問等禁止条約、女子差別撤廃条約、児童の権利条約、障害者権利条約、強制失踪条約、人身売買等禁止条約、先住民族の権利に関する国際連 合宣言)を遵守・尊重しなければならない。 

 

②差別・ハラスメントの禁止 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、人種、国籍、宗教、性別、性的指向・性自認、障がいの有無、社会的身分等によるiiいかなる差別やハラスメントも排除しなければならない。 

 

③地域住民等の権利侵害の禁止 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、地域住民等に対する不法な立ち退きの強制や地域の生活環境の著しい破壊等を行ってはならない。 

 

④女性の権利尊重 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、女性の権利を尊重し、女性のエンパワメントや男女共同参画社会の推進、リプロダクティブヘルス・ライツの観点から、女性人材の登用や育児休暇の充実等に配慮すべきである。 

 

⑤障がい者の権利尊重 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、障がい者の権利を尊重し、その経済的・社会的活動への参加を支援するため、障がい者の雇用促進や職場環境のバリアフリー化、障がい者授産製品の使用等に配慮すべきである。 

 

⑥子どもの権利尊重 

  サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、子どもの権利を尊重し、その健全な育成を支援するため、児童労働の禁止のほか、子ども向け製品・サービスの提供の際の安全性の確保や子どもを世話する親・保護者への支援等に配慮すべきである。 

 

⑦社会的少数者(マイノリティ)の権利尊重 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、民族的・文化的少数者、性的少数者(LGBT等)、移住労働者といった社会的少数者(マイノリティ)の人々の権利を、他の人々と同様に尊重し、それぞれの特性に応じたプライバシー保護にも配慮しつつ、これらの人々が平等な経済的・社会的権利を享受できるような支援に配慮すべきである。 

 

 

(4)労働 

労働は、製造・流通等の各段階に関係するものであり、国内外で児童労働や長時間労働、外国人労働者の問題が指摘される中、組織委員会は、適正な労務管理と労働環境の確保を求めていく。また、ワーク・ライフ・バランスの推進も必要である。 

 

①国際的労働基準の遵守・尊重 

  サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、労働に関する国際的な基準(特に ILOの提唱する労働における基本的原則及び権利iii(ILO中核的労働基準を含む))を遵守・尊重しなければならない。 

 

②結社の自由、団体交渉権 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等に従事する労働者に対して、組合結成の自由及び団体交渉の権利といった労働者の基本権を確保しなければならない。 

 

③強制労働の禁止 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、いかなる形態の強制労働もさせてはならず、また、人身取引に関わってはならない。 

 

④児童労働の禁止 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、いかなる形態の児童労働もさせてはならない。 

 

⑤雇用及び職業における差別の禁止 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等に従事する労働者について、人種、国籍、宗教、性別、性的指向・性自認、障がいの有無、社会的身分等によるiv雇用や賃金、労働時間その他労働条件の面でのいかなる差別もしてはならない。 

 

⑥賃金 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等に従事する労働者に対して、法令で定める最低賃金を支払わなければならない。 

 サプライヤー等は、生活に必要なものを賄うことのできる水準の賃金の支払いに配慮すべきである。 

 

⑦長時間労働の禁止 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、違法な長時間労働(労働時間等に関する規定の適用除外となっている労働者については健康・福祉を害する長時間労働)をさせてはならない。 

 

⑧職場の安全・衛生 

サプライヤー等は、安全衛生に関する法令等に基づき、安全衛生委員会等の設置やメンタルヘルスケアを含め、調達物品等の製造・流通等に従事する労働者等にとって身体的・精神的に安全で健全な労働環境・条件を整えなければならない。また、サプライヤー等は、労働者にとって仕事と生活の調和のとれた労働環境の整備に配慮すべきである。 

 

⑨外国人・移住労働者 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等のために自国内で働く外国人・移住労働者(技能実習生を含む。)に対して、旅券等の取上げ、強制帰国、保証金の徴収、賃金の不払い、違法な長時間労働のほか、出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(上陸基準省令)に定める不正行為などの不当な労働管理を行ってはならず、法令や行政指導に基づき、当該労働者の理解可能な言語で労働条件を書面で交付しなければならない。また、サプライヤー等は、外国人労働者のあっせん・派遣を受ける場合、当該あっせん・派遣をする事業者が法令に基づく許可を受けているか、外国人労働者の権利を不当に侵害していないか等について確認すべきである。このほか、サプライヤー等は、適切な住環境への配慮、外国人労働者が苦情申入れ・相談を容易に行えるようにするための体制整備や権限ある労働関係機関との連携にも取り組むべきである。 

 
(5)経済
近年、事業活動の公正さに対する社会的な関心が高まっている。また、持続可能性は環境、社
会、経済という3本柱で構成されるものであり、経済活動・事業活動においてもこの3つが調和
することが期待されている。特に、日本経済の基盤を形成する中小事業者も含めて、大会に関連
する調達に積極的に取り組むことは、新たな市場の開拓や専門技術の向上等を通じて日本経済の
持続的成長に貢献する。さらに、東日本大震災等によって深刻な被害を受けた被災地の復興への
配慮も必要である。このため、組織委員会は、公正な事業慣行や地域経済に関する取組について
も重視する。

①腐敗の防止
サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、贈収賄等の腐敗行為に関わってはならない。

②公正な取引慣行
サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、独占禁止法や下請法を遵守し、ダンピング、買いたたき、談合等の不公正・反競争的な取引を行ってはならない。

③紛争や犯罪への関与のない原材料の使用
サプライヤー等は、調達物品等の原材料について、武装勢力や犯罪組織の資金源となるなど紛争や犯罪に関与するものを使用してはならない。

④知的財産権の保護
サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、第三者の知的財産権(特許権、著作権、意匠権等)及び営業秘密を侵害してはならない。

⑤責任あるマーケティング
サプライヤー等は、調達物品等のマーケティングにおいて、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)が禁止する不当表示を行ってはならない。また、サプライヤー等は、調達物品等のマーケティングにおいて、差別的または誤解を与える広告を回避し、子どもに悪影響のある広告を制限するなど、消費者や社会に配慮すべきである。

 

⑥情報の適切な管理 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等において、個人情報を法律に基づき取り扱うとともに、大会に関する業務上知り得た機密事項がサイバー攻撃や内部不正等により外部に漏洩しないよう適切に管理しなければならない。また、サプライヤー等は、情報セキュリティに関するリスクの高さに応じた情報アクセスの管理強化や漏洩防止体制の確立のほか、万が一、情報が外部に漏洩した場合の原因究明・被害収束のための体制確立などの対策に取り組むべきである。 

 

⑦地域経済の活性化 

東京大会が求める持続可能性に配慮した調達への参加は、日本の地域・中小事業者が国際的な競争力を高めて活性化し、地域が持続的に発展していく上での有益な経験となる。そのため、組織委員会は、東京都による「ビジネスチャンス・ナビ2020」の取組等とも連携して、日本国内の事業者による持続可能な調達への取組を後押しする。 

サプライヤー等は、調達物品等の製造・流通等における各種業務の発注や原材料の調達等に関して、ビジネスチャンス・ナビ2020も活用し、環境面や社会面にも配慮した日本国内の中小企業・農林水産事業者の受注機会の確保や国産品の利用に配慮すべきである。 

 

 

5.担保方法 

(1)調達コードの理解 

サプライヤー又はライセンシーとなることを希望する事業者は、組織委員会が別途作成する解説等を参照・活用するなどして、事前に調達コードの内容を確認しなければならない。 

 

(2)事前のコミットメント 

サプライヤー又はライセンシーとなることを希望する事業者は、調達コードの遵守に向けて取り組むことを誓約(コミット)しなければならない。 

 

(3)調達コードの遵守体制整備 

 サプライヤー及びライセンシーは、組織委員会との間の契約締結の前後を通じて、自社に関連する持続可能性に関するリスクを適切に確認・評価した上で、そのリスクの高さに応じて、調達コードを遵守するための体制を整備すべきである

 

(4)伝達 

サプライヤー及びライセンシーは、組織委員会との間の契約締結の前後を通じて、調達コードの内容を自社の関係する役職員及びサプライチェーンに伝達するために、研修・教育などの適切な措置を講じるべきである。 

 

(5)サプライチェーンへの働きかけ 

サプライヤー及びライセンシーは、組織委員会との間の契約締結の前後を通じて、調達コードを遵守した調達物品等の製造・流通等が行われるように、サプライチェーンに対して調達コ ード又はこれと同様の調達方針等の遵守を求めるなどサプライチェーンに働きかけるべきである。

このような働きかけにあたって、サプライヤー又はライセンシーは、自社のサプライチェーンにおける持続可能性に関するリスクを適切に確認・評価した上で、リスクの高いサプライチェーンや分野に関してより重点的に働きかけを行うべきである。 

サプライヤー及びライセンシーは、サプライチェーンへの働きかけにあたっては、共存共栄の理念に基づき、サプライチェーンとの共同の取組として調達コードの遵守を推進できるように、サプライチェーンとのコミュニケーションを重視すべきである。 

 サプライヤー及びライセンシーは、サプライチェーンへの働きかけやコミュニケーションを確実にするため、サプライチェーンとの間の契約に、組織委員会が別途作成するサステナビリティ条項のモデル条項又はこれに類似する条項を挿入することを検討すべきである。 

 

(6)取組状況の記録化 

サプライヤー及びライセンシーは、組織委員会との間の契約締結の前後を通じて、サプライチェーンへの働きかけを含む調達コードの遵守に向けた取組状況を、組織委員会の求めがある場合にいつでも提供できるように、可能な限り十分記録化すべきである。 

サプライヤー及びライセンシーは、特に調達物品等を製造(組立・仕上段階)及び保管する施設(当該施設がサプライチェーンのものである場合を含む。)の名称及び所在地について、組織委員会の求めがある場合に提供できるようにしておかなければならない。また、当該施設に関連するその他の情報についても、組織委員会の求めがある場合にできる限りこれを提供できるような体制を検討すべきである。 

 

(7)取組状況の開示・説明 

サプライヤー又はライセンシーとなることを希望する事業者は、サプライチェーンへの働きかけを含む調達コードの遵守に向けた取組状況(取り組むことを予定しているものを含む)について、組織委員会が調達物品等の種類や規模等を踏まえて指定する方法により開示・説明しなければならない。また、契約締結後においても、サプライヤー及びライセンシーは、取組状況について、組織委員会の求めに応じて開示・説明しなければならない。 

 

(8)遵守状況の確認・モニタリング 

組織委員会は、サプライヤー及びライセンシーとの間の契約締結の前後を通じて、持続可能性に関するリスクの高さに応じて必要があると認めるときは、サプライヤー等の調達コードの遵守状況に関し、確認・モニタリングを実施する。 

サプライヤー及びライセンシーは、当該確認・モニタリングに協力しなければならない。上記確認・モニタリングの結果さらなる調査が必要と認める場合、組織委員会は、サプライヤー及びライセンシーに対し、組織委員会が指定する第三者による監査の受け入れを求めることがある。サプライヤー及びライセンシーは、組織委員会がサプライチェーンにおける調達コードの遵守状況を確認・モニタリングし、または監査の受け入れを求める場合についても、これに可能な限り協力しなればならない。 

 

(9)改善措置 

サプライヤー及びライセンシーに調達コードの不遵守があることが判明した場合、組織委員会は、当該サプライヤー及びライセンシーに対し改善措置を要求し、一定期間内に改善計画書を提出することを求める。この場合、サプライヤー及びライセンシーは、当該期間内に、改善計画書を提出した上、組織委員会から承認された計画書に従って、改善に取り組み、その結果を組織委員会に報告しなければならない。 

サプライチェーンにおける調達コードの不遵守が判明した場合、サプライヤー及びライセンシーは、組織委員会の求めに応じ、サプライチェーンに対する改善要求の働きかけに協力しなければならない。 

組織委員会は、サプライヤー及びライセンシーが調達コードの重大な不遵守があるにもかかわらず適切に改善に取り組んでいないと認められる場合、契約を解除することができる。ただし、サプライヤー及びライセンシーのサプライチェーンにおける調達コードの不遵守に関しては、サプライヤー及びライセンシーが本調達コードの規定及び組織委員会の要請に基づきサプライチェーンに対し適切な働きかけを行っている限り、契約解除の対象とはならない。 

 

 

6.通報受付窓口 

組織委員会は、調達コードの不遵守に関する通報(調達コードの不遵守又はその疑いを生じ得る事実をその内容とするもの。以下、単に「通報」という。)を受け付け、これに適切に対応するため、通報受付窓口を設置する。 

組織委員会は、通報を受けた場合、当該通報の対象となっているサプライヤー等に対して事実確認を求めるほか、調達コードの不遵守又はその疑いがあると認められる場合等には、必要に応じて、前記5に定める改善措置の要求等を行い、またはサプライヤー等と関係するステークホルダーとの間のコミュニケーションの促進等を図ることも含め、それらが解決するよう必要な対応を行う。 

通報の受付手続及びその対応等の詳細については、組織委員会が別途定める。

 

 7.物品別の個別基準 

 以下のものについては、4~6が適用されるほか、それぞれ別添の調達基準が適用される。 

 ・木材(別添2-1)    

 ・農産物(別添2-2) 

 ・畜産物(別添2-3) 

 ・水産物(別添2-4) 

 ・紙(仮)(2017年度以降検討予定)   

 ・パーム油(仮)(2017年度以降検討予定)   

  

 

8.その他 

組織委員会は、東京都及び政府機関等に対して、本大会関係で調達する物品・サービスにおいて、調達コードを尊重するよう働きかける。

 組織委員会は、透明性の観点からも、持続可能性に配慮した調達の実施状況について公表する。また、PDCAの考え方に則り、調達コードの必要な改定を適宜行うこととする。 

 

サプライヤー等には、本調達コードで規定する事項に留まらず、社会における最新の課題やニーズを的確に把握し、持続可能性の一層の向上に取り組むことが期待される。 

 

 

 

i 4つの原則の内容については、「持続可能性に配慮した調達コード 基本原則」(2016年1月)の文書を参照

https://tokyo2020.jp/jp/games/sustainability/data/sus-principles-JP.pdf) 

 

ii, iv 肌の色、言語、政治的その他の意見、国または社会のルーツ、財産を理由とする場合を含む。 

 

iii 労働における基本原則及び権利に関するILO宣言とそのフォローアップ(1998年)において提唱された4つの基本的権利に関する原則(①結社の自由及び団体交渉権の実効的な承認、②あらゆる形態の強制労働の撤廃、③児童労働の実効的な廃止、④雇用及び職業における差別の撤廃)を指す。 

 

v 持続可能性に関するリスクを適切に確認・評価し、これに対処するに当たっては、国連のビジネスと人権に関する指導原則が企業に対して求める人権デュー・ディリジェンスの手法も参考となる。