農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の定款を作成するときに、気を付けること

株式会社である、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)を設立するときに

注意すべきことを、項目ごとに、挙げていきます。

 

 

(1)目的
目的とは、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の事業目的のことで、基本的に、記載された内容の範囲で、継続的に営利活動できるとされています。
この目的を、あなたが自分で考えるのは、一定の使ってはいけない文言もあったり、網羅的に記載しておきないなどの理由で、なかなか難しいものです。
通常は、すでに設立されている農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の目的を参考にして、あなたがやりたいことに照らして、選んでいくというのが現実的でしょう。
他の農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の定款は、誰でも、法務局に行けば、取得することができます。
下記には、一般的な農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の目的を列挙しておきます。

1.農作物の生産、加工、販売
2.農作物の貯蔵、及び運搬
3.畜産物の製造、加工、販売
4.農業生産に係る作業委託
5.貸農園の運営
6.農業体験農園の運営
7.農園休憩宿泊施設の経営
8.飲食業の経営
9.前各号に附帯関連する一切の業務

このとき、「農地所有適格法人(旧:農業生産法人)で、飲食業などを運営する目的に入れても、問題ないのですか?」と聞かれることもあります。
どの法律にも、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)が、農業以外のことをやってはいけないという制限は記載されていません。(農事組合法人は、農業しかできません)
ただ、不動産業、ホテル業、産業廃棄物処理業などを入れると、農地を転売したり、開発したり、別の用途で使うのではないか?と疑念を持たれる可能性もあります。
現在はよくても、将来、何かの許認可を申請する場合や、実際に農地を借りる段階で、登記簿謄本を提出したときに、拒否されてしまうリスクもあります。
ということで、建設業や飲食業など、農業と関連性がある事業だけを目的に追加するべきでしょう。

 

(2)本店所在地
農地法では、「農地を効率的に利用して、耕作又は養畜の事業を行う」という許可要件があります。
そのため、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の本店所在地は、できるだけ、あなたの農地と近い場所であることが理想です。
ただ、農地のすぐ近くに、簡易建物であっても建てる土地などない、または事務作業ができるスペースを借りることができない場合も多いでしょう。
農地から本店所在地までの距離が何メートル以内でなければいけないという数字の基準もありません。
そこで、本店所在地は農地から離れていたとしても、事務所などの作業者の拠点が近くにあればよいと考えます。
本店所在地は、農業委員会、市町村、税務署からの資料が届いて、それが紛失しないような場所にしておきましょう。

 

(3)発起人の氏名
農地所有適格法人(旧:農業生産法人)

では、構成員要件に合致しない人は、株主になれません。(自動的に、発起設立となる)

つまり、「構成員=株主」ということで、誰がいくら出資するのかを決めてください。
このとき、取引関係者が発起人となり、株式の一部を引き受けて出資する場合には、議決権の割合は、全体の4分の1以下にしなければいけないので、注意しましょう

 

(4)株式の譲渡制限

農地所有適格法人(旧:農業生産法人)は、

公開会社であってはいけないとなっていますので、

定款には、必ず「株式譲渡制限の定め」を記載してください。

取締役会がある農地所有適格法人(旧:農業生産法人)であれば、

その承認を受けること、取締役会がない農地所有適格法人(旧:農業生産法人)

であれば、株主総会の承認を受けること、と記載します。

 

(5)譲渡制限株式の相続人等に対する売渡請求

農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の株主が死亡すると、それは親族に相続されてしまいます。
配偶者や子供、その両親である場合もあり得ます。

農地所有適格法人(旧:農業生産法人)では、構成員が誰なのかということが重要となりますので、そのまま、相続されてしまうと、困ることが多いはずです。

そこで、定款には、相続人に対して、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)から「株式を売り渡すことを請求できる」という一文を入れておきましょう。
買取る価格は、もともと出資した金額ではなく、そのときの農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の時価となります。

 

(6)種類株式の発行

農地所有適格法人(旧:農業生産法人)が発行する一般的な株式には、毎年の株主総会で意見が言える「議決権」と毎年の利益から「配当を請求権」清算したときに残った財産が受け取れる「残余財産分配請求権」の権利が付いています。

ただ、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)では、株主については構成員要件があり、さらに取引関係者が株主になった場合には、議決権の制限もあります。

そこで、無議決権株式を発行することができれば、出資できる取引関係者の数を増やすことができるのです。
利益からの配当、清算したときの残余財産をあげることを約束して、無議決権株式に出資してもらうことも考えてみましょう。

 

(7)取締役

農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の取締役は1人でもよいのですが、人数を複数にするならば、その過半数が常時、農地所有適格法人(旧:農業生産法人)が行う農業に従事しなければいけません。

常時、従事するとは、1年間のうちに60日以上という要件となっています。

そして、過半数とは、取締役の数が2人ならば、全員、3人ならば、2人以上、4人ならば、3人以上、5人ならば、3人以上、6人ならば、4人以上となります。

 

(8)代表取締役

農地所有適格法人(旧:農業生産法人)の代表取締役は、取締役の中から選任するのですが、原則、農業に常時従事する人が望ましいとされていて、他の仕事の兼務者や兼業者は認められないことになっています。

さらに、代表取締役は、農地の近くの地域に居住することも求められています。

 

(9)事業年度

農地所有適格法人(旧:農業生産法人)は、1年のうちに、最低1回の決算日を決めて、決算を行い、税務署に申告することが義務付けられています。

通常は、あなたの農地の農作物が一番収穫できる月の前月末を決算日とします。
例えば、野菜を栽培していて、毎年10月に収穫できるならば、その前月末なので、9月末を決算日としましょう。

 

 

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