種苗の自家増殖 「原則禁止」へ転換 海外流出食い止め 法改正視野、例外も 農水省がふみきるか

農水省は、農家が購入した種苗から栽培して得た種や苗を次期作に使う「自家増殖」について、
原則禁止する方向で検討に入った。これまでの原則容認から規定を改正し、方針を転換する。
優良品種の海外流出を防ぐ狙いで、関係する種苗法の改正を視野に入れる。
自家増殖の制限を強化するため、農家への影響が懸念される。これまで通り、在来種や慣行的に
自家増殖してきた植物は例外的に認める方針だが、農家経営に影響が出ないよう、慎重な検討が必要だ。

自家増殖は、植物の新品種に関する国際条約(UPOV条約)や欧米の法律では原則禁じられている。

 

新品種開発を促すために種苗会社などが独占的に種苗を利用できる権利「育成者権」を保護するためだ。

 

一方、日本の種苗法では自家増殖を「原則容認」し、例外的に禁止する対象作物を省令で定めてきた。

 

その上で、同省は育成者権の保護強化に向け、禁止対象を徐々に拡大。現在は花や野菜など約350種類に上る。

 

今後は自家増殖を「原則禁止」し、例外的に容認する方向に転換する。そのため、自家増殖禁止の品目が拡大する見通しだ。

 

同省は、今回自家増殖の原則禁止に踏み込むのは、相次ぐ日本の優良品種の海外流出を食い止めるためと説明。

 

自家増殖による無秩序な種苗の拡散で、開発した種苗業者や研究機関がどこまで種苗が広がっているか

 

把握できないケースも出ているという。中国への流出が問題となったブドウ品種「シャインマスカット」

 

も流出ルートが複数あるとされる。

 

民間企業の品種開発を後押しする狙いもある。2015年の品種登録出願数は10年前と比べると、

 

中国では2・5倍に伸びているが、日本は3割減。日本の民間企業は野菜や花の品種開発を盛んに行うが、

 

1本の苗木で農家が半永久的に増殖できる果樹などへの参入は少ない。このため同省は、育成者権の保護強化で参入を促す。

 

仮に自家増殖を全面禁止にすれば、農業経営に打撃となりかねない。同省はこれまで、

 

農家に自家増殖の慣行がある植物は禁止対象から外し、農業経営への影響も考慮してきた。

 

今回の原則禁止に当たっても、一部品種は例外的に自家増殖を認める方針だ。

 

自家増殖の原則禁止は品種登録した品種が対象。在来種のように農家が自家採種してきたものは対象外で、

 

これまで通り認められる。

 

 

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