TPPで牛肉輸出 米国損失1332億円超 対日要求に懸念 食肉団体試算

米国の食肉輸出団体の米国食肉輸出連合会(USMEF)は27日、同国産牛肉の対日輸出にかかる関税が高いと批判し

 

2028年までに牛肉輸出損失額が年間12億ドル(1332億円、1ドル=111円)を超えるとの試算を発表した。

 

最大の輸出先である日本が米国抜きで貿易協定の締結を進め、競合国よりも輸出条件が不利になるため。

 

日米の新たな貿易協議(FFR)で牛肉への要求を強めてくる恐れがある。

 

USMEFは、日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)、米国を除く11カ国の環太平洋連携協定(TPP11)

 

とも19年4月までに発効すると想定し、米国産の牛肉などへの影響額を試算した。

 

両協定で牛肉関税は将来的に9%まで下がるが、米国は38・5%。オーストラリアなど競合国よりも関税が不利になることで

 

米国産牛肉が輸出機会を失うとし、28年に年間12億ドル(1332億円)の損失があると試算した。

 

牛1頭当たりでは43・75ドル(4856円)に上ると推定する。

 

日欧EPAで「EU産牛肉が日本市場で勢いを増す」と指摘。TPP11では「米国産は価格競争力を失い、

 

シェアが低下する」と懸念する。日本の牛肉輸入量に占める米国産の割合は43%から30%に下がるとみる。

 

豚肉でも試算した。輸出の損失額は年間10億2000万ドル(1132億円)を超えると予想する。

 

豚1頭当たりでは7・06ドル(784円)に達する見込みだ。TPP11で、カナダ産に需要が奪われ、メキシコ産やチリ産も優位に立つとみる。

 

米国産牛肉の主要な輸出先では、メキシコは関税がゼロ、韓国は21・3%となっている。

 

USMEFは「日本市場はアクセス面で大きな課題がある」と批判した。

 

日米両政府が今月上旬に開いたFFRの初会合で、米国通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は2国間交渉を要求。

 

これに先立つ7月下旬の公聴会でライトハイザー代表は牛肉を例に日本には「不公正な貿易障壁がある」と指摘しており

 

米国内の食肉団体などの意を受け、今後のFFRで圧力を強めてくる恐れがある。

 

 

ただ、こうした試算の根拠となる輸出条件の不利は、米国がTPPに復帰すれば解消されるため、

 

2国間交渉にこだわる理由とはならない。日本政府には毅然(きぜん)とした対応が求められる。

 

17年の米国産牛肉の対日輸出は19億ドル、豚肉は16億ドルだった。

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