北海道 豪雨災害から2年 流出土壌復旧も…生育不良 土質や栄養分に偏り 地力回復支援を 

北海道で2016年8月に相次いだ台風による豪雨災害から2年がたった。

 

農業関連では、作土流出などの被害があった農地の復旧工事が完了した一方、

 

復旧のために投じた土壌が農作物の生育に適さない場合もあるなど、

 

地力回復や土質改良に向けた課題が山積する。

 

農業の現場では完全復旧にはまだ時間がかかる見通しで、継続的な支援が求められている。

 

「同じ畑なのに生育がばらつき、良い場所と悪い場所の差が大き過ぎる。どうしたらいいのか」

 

復旧工事が完了した3・5ヘクタールの畑で白インゲン「手亡」を栽培する

 

帯広市の道見哲夫さん(60)は途方に暮れる。

 

16年8月の台風で堤防が決壊。畑の土が流失して、深さ1・5~2メートルほどえぐられた。

 

昨年秋に小麦をまいたが、まともに育たなかった。今春、「少しでも収入を得たい」と「手亡」をまいた。

 

しかし、8月になっても地面が見えるほど、生育の悪い場所が点在する。

 

乾燥した地面は、農地とは思えない硬さ。10~20センチの土塊が畑一面を埋める。

 

葉の色は青々とした所もあれば、黄色に近い場所もある。

 

道見さんは「土質や栄養が偏っている上、土中の水路も流された。

 

また基盤整備をし直さなければ」と肩を落とす。

 

16年8月の台風は、全道3万8900ヘクタールの農地に浸水や冠水などの被害をもたらした。

 

十勝、オホーツク、上川、空知の4地方の被災農地495・2ヘクタールは土が流出するなど

 

被害が大きく、災害復旧事業による工事がようやく今年8月に全て完了した。

 

十勝地方の農地復旧では主に、川幅の拡幅工事で発生した河川掘削土が利用された。

 

しかし掘削土の多くは粘性土で、雨が続けば農機が入れないほどぬかるみ、

 

乾燥すれば締まって硬くなる。異なる河川敷の土が1カ所の畑に運び込まれたことで

 

道見さんの畑のように土質や栄養分が不均一な畑も多い。

 

4・5ヘクタールの畑で作土が流出した同市の高嶋敏彦さん(43)は

 

「あと数年は土質を改善するのにトウモロコシなどを作らなければ。輪作体系も乱れる」

 

と懸念する。高嶋さんは自身の別の畑から土を運び、土壌改良をする計画だ。

 

被災して営農用水が断水した清水町のJA十勝清水町は「被災農家は今、

 

地力をマイナスからゼロに戻す段階。原状復旧以上が必要だ」と指摘する。

 

河川掘削土が最も多く搬入された芽室町のJAめむろは

 

「農作物を作れればいいわけでなく、収入を得られなければ。河川整備も急いでほしい」と訴える。

行政、JA調査を継続

 

道を中心に、JA、市町などは17年から、営農復旧に向け、復旧農地のフォローアップを継続している。

 

今年は全道57カ所で、農作物の生育・収量調査や、土壌の断面調査、物理性、化学性を調査する。

 

取得した数年間のデータを基に、土づくりの指導や、施肥管理や輪作体系に関する助言、基盤整備の提案などをする。

 

十勝地方では帯広市、清水町、芽室町など6市町で、小麦やトウモロコシなどの畑を調査する。

 

上川地方では一時孤立状態になった南富良野町の畑作物を中心に、ドローン(小型無人飛行機)

 

も活用して生育調査を進める。オホーツク地方では、北見市で特産のタマネギの畑を調べている。

 

道は「何年も土づくりしてきた土とは違い、地力回復は必須だ。営農復旧までフォローしていく」

 

(農地整備課)と、支援を続ける考えだ。

 

 

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