ブラックアウトで廃棄した牛乳は2万トンにも及んだ。酪農家が多いのは北海道が一番だが、全国では50頭前後の飼育頭数が一番多くなっている 酪農全国大会 飲用乳価上げ増産促せ

 

家族酪農の危機突破へ14日、全国の酪農家1000人が結集する。生産基盤の弱体化は

 

都府県の中小規模で顕著だ。生乳生産底上げには、飲用乳価の引き上げが最も効果的である。

今回の飲用乳価交渉は、改正畜産経営安定法施行後、初となる。指定生乳生産者団体(指定団体)は

 

酪農家との来年度の個別契約が年明けに迫る中で、12月中の妥結を目指す。

 

指定団体は生乳1キロ当たり7円以上の飲用乳価の大幅引き上げを求めている。

 

現行より6%以上の要求だ。当日はデモ行進も行う。乳業は、交渉を長引かせず酪農家の要望に応じるべきだ。

 

酪農政治連盟が主催する大会のキーワードは、「持続可能な酪農経営の確立」だ。

 

 

生乳生産の落ち込みを改善するには、酪農の生産実態にいま一度、メスを入れる必要がある。

 

 

規模拡大が進んでいるとはいえ、主流は家族経営である。

 

 

1000頭以上の巨大牧場の割合が年々増す一方、都府県の中小規模の家族経営の離脱が目立つ。

 

都市化の進展に伴い、家畜ふん尿処理などの負担が重くなっている。

 

都府県酪農の飼養規模別戸数を見ると、50頭未満が76%を占める。

 

中央酪農会議の2017年度全国調査によると、中小農家でも規模拡大への意欲が高いことが分かっている。

 

酪農家が将来への希望を持つには、勤労者の基本給アップと同じ意味合いを持つ飲用乳価上げが求められる。

 

飼養戸数減に歯止めがかからず生乳生産が減り続ける酪農だが、乳牛の飼養頭数は昨年、16年ぶりに増加に転じた。

 

酪農家の生産意欲を後押しする対策が不可欠だ。

 

まずは、全国生乳生産の5割以上を占める主力の北海道をてこ入れすることで、

 

北海道地震からの復興対策を急ぐ必要がある。全道規模の停電「ブラックアウト」

 

で廃棄した生乳は2万トンに上り、経済的な損失だけでなく酪農の構造問題を浮き彫りにした。

 

改めて、北海道頼みの生乳供給の脆弱(ぜいじゃく)性が分かった。

 

飲用中心の都府県酪農との均衡ある発展が問われている。

 

飲用乳価交渉は、各指定団体と乳業メーカーとの折衝となるが、大手乳業も原料乳の安定確保では理解を示す。

 

 

先週の会見で雪印メグミルクの西尾啓治社長は「真摯(しんし)に対応したい」と述べた。

 

 

問題は、値上げのための財源の確保だろう。中間決算を見ると北海道地震の特別損失などで下方修正が目立つ。

 

 

一方、最大手・明治ホールディングスの業績は純利益が上振れしており、

 

 

明治がどういった乳価対応をするかが焦点となるとみられる。

 

乳業が乳価要求に応じるには、スーパーへの納入価格引き上げと連動させる必要がある。

 

 

来年10月の消費税10%引き上げなども念頭に置いた、末端小売価格への反映も欠かせない。

 

 

安売り合戦も慎むべきだ。牛乳の栄養価と機能性を重視した適正価格が求められる。

 

 

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