JGAP審査・認証の基本

7.1 JGAPの審査・認証
(1) 審査・認証の種類
JGAPには下記の審査・認証がある。
a) 個別審査・認証:「JGAP 農場用 管理点と適合基準」への適合性を審査し認証する。
b) 団体審査・認証:「JGAP 団体事務局用 管理点と適合基準」と「JGAP 農場用 管理点と適合基準」
への適合性を審査し認証する。
(2) 個別認証の認証農場が、その有効期限内に認証団体に加わることは可能である。その場合、個別認証は有効期限まで有効なものとして扱われる。
(3) 標準審査時間
標準的な審査時間を下記に示す。審査・認証機関は、審査時間を設定する場合には、審査履歴、一元的な管理体制かどうか、品目数、生産工程の複雑さ、圃場や施設の立地、従業員数等を勘案して設定する必要がある。審査・認証機関は標準審査時間から逸脱する場合には、その理由を明確にしておかなければならない。

7.2 JGAP認証が求める基準への適合性

(1) 「JGAP 農場用 管理点と適合基準」または「JGAP 団体事務局用 管理点と適合基準」の管理点はすべて審査され、それぞれの結果が「該当外」「適合」「不適合」のいずれかに決定される。「該当外」とする場合は、その判断の正当性を証明できることが必要である。また、適合基準に手段まで記載されている場合、その手段でなくとも十分にリスク管理が可能な場合には代替手段をもって適合とすることができる。その場合にも、その判断の正当性をリスク評価の結果等をもって証明できなければならない。

なお、維持審査の場合には、本規則7.3(2)に示された維持審査の目的を遂行するにあたり、前回までの審査結果を考慮して確認する管理点の重点化が可能である。

(2) 「JGAP 農場用 管理点と適合基準」の管理点には、必須項目、重要項目、努力項目の3つのレベルがある。
a) 必須項目:法令遵守などの面から最も重要で、欠かすことのできない管理点
b) 重要項目:適合することが強く求められる管理点
c) 努力項目:審査結果には影響しないが、より理想的な農場管理のための項目であり、積極的に取り組むことが望まれる管理点

 

(3) 審査の結果、下記の適合性が確認された場合に認証が与えられる。認証を得た農場を「JGAP認証農場」、認証を得た団体を「JGAP認証団体」と呼ぶ。

<個別審査の場合>
個別認証・・・「JGAP 農場用 管理点と適合基準」
該当する必須項目に100%適合
該当する重要項目に95%以上適合
<団体審査の場合>
団体認証・・・「JGAP 団体事務局用 管理点と適合基準」
該当する項目に100%適合
「JGAP 農場用 管理点と適合基準」
該当する必須項目に100%適合
該当する重要項目に95%以上適合

7.3 審査のタイミングと条件
農産物の生産はある一定の時期にしか行われない生産工程が存在する。審査が毎回同じ時期に行われると、重要な生産工程でありながら審査時期から外れているため確認できない、という事態が起こる可能性がある。JGAPではそのような事態を避けるため、認証の有効期間を2年間とし、審査時期の幅を持たせた維持審査を用意し、特に重要な生産工程を確認できるように設計されている。審査は、初回審査 → 維持
審査 → 更新審査 → 維持審査 → 更新審査 ・・・ というサイクルで実施する。下記に審査のタイミングと条件を定める。

(1) 初回審査

初回審査は、JGAP審査を初めて申し込んだ農場・団体、もしくは、以前に認証を得ていたが有効期限が切れたために再び審査を申し込む農場・団体が最初に受ける審査である。農場・団体が認証の基準を満たす運営ができている、またはその運営体制があることを評価する審査である。この審査の認証日から2年間が認証の有効期限となる。
初回審査では、審査申込書に記載のある農産物のうち、1種類以上の品目が審査時に存在中(*注記1)であることを原則とする。なお、審査・認証機関を有効期限内に変更する場合には、更新審査の扱いとなる。
(*注記1)「存在中」とは、農場内の圃場もしくは施設で、栽培工程・収穫工程・農産物取扱い工程のいずれかが確認できる状態をさす。

(2) 維持審査
a) 一般
維持審査は、初回審査または前回の更新審査から次回の更新審査までの間、認証農場・団体が継続して認証の基準を満たす運営ができていることを評価する審査である。
維持審査は、認証日より18か月以内の間で、審査・認証機関が指定するタイミングで実施する。維持審査では、審査申込書に記載のある農産物のうち、1種類以上の品目が審査時に存在中であることを必須とする。維持審査では、農産物取扱いの工程をはじめ、農場・団体にとって特に重要な生産工程であると審査・認証機関が判断する生産工程が、農場・団体に存在するタイミングで審査を実施する
ことを原則とする。
b) JGAP審査・認証及びJGAP Basic審査・認証
更新審査の結果、是正の必要がなく認証の基準を満たす運営ができていることが確認された場合に限り、審査・認証機関の判断で維持審査を省略することができる。なお、初回審査後の維持審査で、この特別ルールは適用されず、農場・団体は必ず維持審査を受けなければならない。

(3) 更新審査
更新審査は、前回の維持審査から今回の更新審査までの間、認証農場・団体が継続して認証の基準を満たす運営ができていることを評価するとともに、これまでの有効期限内の活動を総合的に評価する審査である。この審査の終了後、有効期限が更新され、新たな認証書が発行される。有効期限は元の有効期限の次の日から2年間となる。

更新審査は、審査で発見された不適合の是正処置に要する期間及び判定に要する期間を考慮し、原則として有効期限の6か月前から実施可能である。更新審査では、審査申込書に記載のある農産物のうち、1種類以上の品目が審査時に存在中であることを原則とする。

(4) 付帯条件
a) 初回審査、維持審査または更新審査において、認証の有効期限内に、認証書に記載された品目のうち1種類以上の品目の農産物取扱いの工程を必ず確認すること。

b) 認証の有効期限内に、認証書に記載されたすべての品目について審査で確認することが望ましいが、それが不可能な品目については、審査・認証機関が確信に足る品目数を選定して確認すること。例えば、青果物の場合であれば、果菜・葉菜・根菜及び栽培方法(水耕と土耕、施設栽培と露地栽培等)を考慮して品目及び品目数を選定する。

c) 認証書に記載された品目が複数ある場合には、これまでの審査で存在中ではなかった品目を優先して審査することを原則とする。

d) 審査対象の圃場や農産物取扱い施設が複数ある場合、これまでの審査で確認していない圃場や農産物取扱い施設を優先して審査することを原則とする。

e) 維持審査で確認する特に重要な生産工程は、これまでの審査で確認していない生産工程を優先して審査することを原則とする。

f) 維持審査で検出された不適合の是正処置の対応期間が本規則8.3(7)に定める期間を超過した場合には、有効期限内であっても認証の一時停止または認証の取消しとなる可能性がある(本規則9.3 参照)。

g) 本規則7.3(3)にもとづいて更新審査を繰り返す場合、更新認証日の月と日は固定される。更新認証日の月と日を変更したい場合には、認証農場・団体は、審査・認証機関に有効期限の短縮を申請し、更新審査を前倒して実施することで調整できる。有効期限の延長による更新認証日の月と日の変更は認めない。

h) 初回審査及び更新審査を旧版の「JGAP 農場用 管理点と適合基準」及び「JGAP 団体事務局用管理点と適合基準」で受けた場合、維持審査は同じ版で受けることを基本とするが、新しい版で審査を受けることも可能である。ただし、認証書は再発行となる。

 

 

7.4 認証日、有効期限及び認証書の記載事項
認証書とは、農場・団体が審査・認証機関からJGAPの認証を与えられていることを示す文書である。
(1) 認証日とは、審査・認証機関において認証と判定された日をさす。
初回審査の場合は初回認証日、更新審査の場合は更新認証日という。
(2) 認証の有効期限は認証日から2年間とする。
(3) 認証書の様式は審査・認証機関が定める。認証書には下記の内容が明記されていなくてはならない。
a) 基本情報
① JGAPロゴ
② 認証のタイプ(JGAP認証、JGAP Basic認証、JGAP Advance認証)
③ 審査・認証機関の名称、ロゴ及びに責任者の名前
④ 個別認証の場合
農場名及び農場の所在地(一元的な管理体制でない農場の場合には管理体制ごとの識別名称(本場・分場等)と所在地も記載)
⑤ 団体認証の場合
団体の名称及び団体事務局の所在地ならびに団体に所属する農場名および所在地(一元的な管理体制でない農場の場合には管理体制ごとの識別名称(本場・分場等)と所在地も記載)
⑥ 本規則8.1(4)で要求している登録番号。ただし、審査・認証機関は固有の識別番号を同時に記載することができる。

b) 認証の対象
① 審査で使用された「JGAP 農場用 管理点と適合基準」及び「JGAP 団体事務局用 管理点と適合基準」の版数
② 認証農産物の分類(「青果物」「穀物」「茶」)
③ 認証農産物の品目名。団体認証の場合は、農場ごとに品目名を明記すること。品目名は「JGAP標準品目名リスト」に記載のある品目名を使用することを原則とする。
④ 対象となる生産工程カテゴリー(本規則6.2(3)参照)。農産物取扱い施設がある場合には、外部委託先も含めてすべての農産物取扱い施設の経営体・名称及び住所を明記する(一元的な管理体制でない農産物取扱い施設の場合には管理体制ごとの識別名称(第一選果場・第二選果場等)と所在地も記載)。

c) 日付関係
① 初回認証日または更新認証日
② 認証の有効期限