JGAP審査・認証の流れと認証後の管理

8.1 審査申込・日程調整
JGAP認証の取得を希望する農場・団体は審査・認証機関に審査の申込みを行う。審査・認証機関とは、認定機関が本規則に基づいて認定した機関である。それ以外の機関が行ったJGAPの審査・認証を日本GAP協会は認めない。

農場・団体は、審査・認証機関へ審査の申込みを行う。審査申込みは、審査・認証機関が用意した審査申込書を使用する。審査の申込みに当たっては下記に留意する。なお、一元的な管理体制でない農場及び農産物取扱い施設がある場合、下記(1)の(f)から(l)までは管理体制ごとに記載する。審査申込書に記載の同意事項に同意していなかった場合、農場・団体が反社会的勢力であることが判明した場合など正当な理由がある場合に限り、審査・認証機関は審査受付を拒否することができる。

(1) 申込内容

a) 審査・認証の種類とタイプ
個別審査・団体審査、JGAP認証・JGAP Basic認証・JGAP Advance認証

b) 審査のタイミング
初回審査・維持審査・更新審査

c) 審査希望時期
本規則7.3を考慮すること。審査・認証機関は、農場・団体に対して本規則7.3を十分説明する
義務がある。

d) 指導者名

e) 適合性を審査する基準
① 「JGAP 農場用 管理点と適合基準」の版と農産物の分類(青果物・穀物・茶)
② 「JGAP 団体事務局用 管理点と適合基準」の版
(*注記)JGAPと他のGAPとの同等性認証の場合は、「JGAPと同等性を認められた基準文書」(本規則16.JGAPと他のGAPとの同等性認証 参照)とその版が審査基準となる。

f) 審査対象品目(「JGAP標準品目名リスト」に記載のある品目)
g) 審査を受ける農場・団体の基本情報
農場名または団体名、経営者または代表者、所在地、農場の責任者、連絡先、圃場の合計面積、団体の場合の新規農場かどうかの識別(維持審査及び更新審査の場合において前回の審査から新たに追加された新規農場かどうかの識別)
h) 圃場情報
圃場名、圃場ごとの審査対象品目と審査希望時期における状態(存在しない、存在中(栽培中、収穫中、保管中等))、圃場ごとの面積 なお、団体の場合は、団体に所属する農場ごとに記載する。
i) 農産物取扱い施設の基本情報
施設の経営体、施設名称、経営者、農産物取扱い施設の責任者、所在地、連絡先、外部委託先か
どうか、農産物取扱いの作業の内容

j) 外部委託先の情報
外部委託している工程、委託先の名称、住所、連絡先、第三者認証の状況(本規則8.2(4)d)参照)

k) 自己点検(個別認証の場合)、内部監査(団体認証の場合)の是正処置完了に対する確認

l) 団体審査の場合、団体の組織図及び団体事務局と農場との役割分担がわかる資料

(2) 審査・認証機関は審査申込書の内容により審査時間(本規則7.1(3)参照)を決定し、農場・団体と審査日程を調整する(外部委託先がある場合の調整も含む)。
(3) 審査・認証機関は、審査に先立ち審査申込書の内容を日本GAP協会へ連絡する。
(4) 初回審査の場合、日本GAP協会は、審査・認証機関へ当該農場・団体の登録番号を伝える。
(5) 審査・認証機関は日本GAP協会に登録された審査員を選定する。選定の際は、本規則11.2.9及び11.3.9
に留意する。

8.2 審査の計画とサンプリング
(1) 審査・認証機関は、本規則を満たす審査員を手配する。団体審査の場合には、審査チームリーダーを選定する。審査・認証機関は、審査員と農場・団体との間に利害関係がないことを事前に確認する。
(2) 審査・認証機関は、審査計画を立案して農場・団体と合意する。移動手段、宿泊、昼食に関する情報も事前に農場・団体と共有する。
(3) 農場・団体の審査は審査申込書に記載のある農場、圃場及び農産物取扱い施設が対象となる。農場・団体の構成や管理体制が複雑で審査申込書だけでは審査計画の立案が困難な場合には、追加資料(団体農場管理マニュアル等)を要求することができる。

(4) 個別審査の場合

a) 申込みのあった農場を審査する。一元的な管理体制でない場合には、それぞれの管理体制ごとに審査する。

b) 農場に圃場が複数ある場合、その農場の管理状態を確認するために適切と考えうる圃場をサンプリングして審査し、それをもって審査結果とすることが可能である。

c) 申込みのあった農産物取扱い施設を審査する。農産物取扱い施設が複数あり、一元的な管理体制でない場合には、それぞれの管理体制ごとに審査する。なお、一元的な管理体制で複数の農産物取扱い施設がある場合、審査員は、工程の複雑さ、審査の経歴・タイミング・時期等を考慮し、平方根以上(小数点切り上げ)の訪問場所をサンプリングして審査する。

d) 農産物の安全に重大な影響を及ぼすと考えられる生産工程を外部委託しており、外部委託先がJGAP又は日本GAP協会が別途認める第三者認証を取得していない場合には、原則として審査員は外部委託先に出向いて審査を実施しなければならない。ただし、同じ生産工程を複数の外部委託先に委託している場合には、平方根以上(小数点切り上げ)の訪問場所を選定して審査することができる。

(5) 団体審査の場合
a) 団体事務局及び農場の審査
団体審査の場合、団体事務局と団体に所属する農場数の平方根以上(小数点切り上げ)を満たす数の農場をサンプリングして審査する。
審査・認証機関は、団体の組織体制、団体事務局と農場との役割分担、生産品目、作型、面積、前回までの審査の状況等を考慮し農場をサンプリングして、最初の農場審査実施の原則7日前に団体事務局に通知する。
複数の審査員が審査チームを組む場合、団体事務局の審査には全審査員が同席するのが望ましいが、同席できなかった審査員には農場審査に入る前に団体事務局の審査の状況を必ず伝達すること。なお、初回審査及び更新審査の場合は、団体事務局の審査終了から1か月以内に農場の審査を終了させることを原則とする。

団体事務局の審査の結果、内部監査の信頼性をはじめ、その団体の統治機能に不安がある場合には、審査・認証機関の判断で、農場を追加でサンプリングして確認することができる。追加審査の対象となる農場は、あらかじめ審査計画の中で予備農場として確保しておくのが望ましい。
団体事務局、農場の審査時間及びサンプリングする農場数は、審査申込み時に事前に入手した「団体の組織図」及び「団体事務局と農場との役割分担のわかる資料」に基づき決定する。例えば、団体事務局主導型の団体であれば、団体事務局審査に時間をかけ、農場審査は2時間程度で済む場合もある。農場主導型であれば、農場審査に時間をかけ、サンプリングする農場数が事務局主導型の団体より多くなる場合がある。
なお、サンプリングされた農場が一元的な管理体制でない場合には、それぞれの管理体制ごとに審査するため、一元的な管理体制の農場よりも審査時間を多く確保する必要がある。
b) 農産物取扱い施設の審査
個別審査の場合と同様である(本規則8.2(4)c) 参照)。
c) 外部委託先の審査
個別審査の場合と同様である(本規則8.2(4)d) 参照)。

8.3 審査の実施及び是正報告の受付
(1) 審査・認証機関は、「JGAP 農場用 管理点と適合基準」及び「JGAP 団体事務局用 管理点と適合基準」に基づき審査を実施する。

(2) 審査・認証の対象品目を限った審査の場合、対象品目以外の農産物や関係する資材・機械設備等の取扱いが不適切であるために対象品目の食品安全に影響を及ぼす場合または環境保全、労働安全及び人権・福祉の視点で顕著なリスクが考えられる場合には不適合となり得る。
(3) 審査・認証機関は、審査結果を記録し、農場・団体に審査終了後に報告し、不適合については是正処17 置を要求する。
(4) 団体審査の場合には、すべての審査が終了後、審査チームリーダーが団体事務局に対して報告する。
なお、団体審査の場合で複数の審査員がいる場合、審査チームリーダーは終了会議の前にすべての審査員の検出した不適合を検証し、審査チームとしての報告とする。
(5) 農場・団体事務局は、審査結果について審査員に質問することができる。オブザーバーとして参加した者は審査員の許可なく審査中に発言はできない。

(6) 審査の結果、不適合と指摘された項目に対して、審査後に農場・団体は適切に是正を行い、是正処置報告書を提出することで、認証を取得することが可能である。ただし、下記の場合には是正内容を再度現地で確認する場合がある。
a) 審査員より「是正の現地確認必要」の意見があり、審査・認証機関がその必要があると判断した場合。
b) 審査結果で必須項目70%以下の場合。

(7) 是正処置報告書の提出期限は審査日から4週間以内とする。また、是正内容の現地確認を行う場合は、
審査日から8週間以内に行う。

8.4 認証判定
(1) 認証の判定は審査を実施した審査・認証機関が行う。農場・団体を審査した者をはじめ判定に関する独立性と公平性に抵触する者は判定を行ってはならない。審査・認証機関は認証判定の結果、認証書の発行または再是正・再審査を要求することができる。

(2) 認証書の発行は認証判定を実施した審査・認証機関が行う。

8.5 登録・情報公開
審査・認証機関は、JGAP認証農場・団体の登録内容を日本GAP協会に報告する。日本GAP協会はホームページで認証農場・団体の名前及び認証農産物を公開する。

8.6 審査・認証にかかる費用
(1) 審査・認証費用
審査・認証機関が料金設定を行い、農場・団体へ請求を行う。
(2) JGAP認証農場・団体登録料
認証を受けた農場・団体は、審査・認証機関を通して日本GAP協会にJGAP認証農場・団体登録料を支払う。
JGAP認証農場・団体登録料は、新規に認証書が発行される初回審査時及び認証書が更新される更新審査時及び認証後に団体内の農場が追加される場合に支払うものとする。認証の取消し、団体からの脱退等によるJGAP認証農場・団体登録料の返却は行わない。

8.7 JGAP認証の後の管理

8.7.1 認証日の後に品目を追加する場合
(1) 農場・団体は、認証農産物を追加したい場合、審査・認証機関に追加品目の申請をする。
(2) 審査・認証機関は、新たに追加された品目について認証の基準を満たす運営ができていると確信するに足る手段で確認し、追加の可否を判定する。確認の手段には、現地審査を伴うこともあり得る。
(3) 判定の結果、追加が認められた場合には認証書が再発行され、認証農産物として扱うことができる。
(4) 審査・認証機関は、変更された認証内容について、日本GAP協会へ報告する。

8.7.2 認証日の後に圃場を追加する場合
農場・団体は、認証後に追加しようとする新規圃場について、「JGAP 農場用 管理点と適合基準」への適合を農場・団体自身が確認することで圃場を増やすことができる。この圃場で生産された農産物も認証農産物として扱うことが可能である。審査・認証機関への申請等は不要である。
8.7.3 認証日の後に農産物取扱い施設を追加する場合
(1) 農場・団体は、新たに追加する農産物取扱い施設で取り扱う農産物を認証農産物として扱いたい場合には、審査・認証機関に施設の追加申請をする。
(2) 審査・認証機関は、新たに追加された農産物取扱い施設が認証の基準を満たす運営ができていると確信するに足る手段で確認し、追加の可否を判定する。確認の手段には、現地審査を伴うこともあり得る。
(3) 判定の結果、追加が認められた場合には認証書が再発行され、新たな農産物取扱い施設で取り扱う農産物を認証農産物として取り扱うことできる。

8.7.4 認証日の後に団体内の農場を追加する場合
(1) 認証を得た団体が、次回の維持審査または更新審査までの期間中に団体に所属する農場をJGAP認証農場として新たに追加したい場合には、「JGAP団体事務局用 管理点と適合基準」に従っていることを条件に、審査・認証機関に農場追加の申請をする。
(2) 審査・認証機関は、新たに追加される農場数と従来の全農場数の合計の農場数の平方根(小数点切り上げ)から従来の全農場数の平方根(小数点切り上げ)を引いた農場数の現地審査を行う。
(3) 判定の結果、追加が認められた場合には認証書が再発行され、JGAP認証農場として扱うことができる。
(4) 審査・認証機関は、変更された認証内容について、日本GAP協会へ報告する。

8.8 審査・認証機関の変更

(1) 農場・団体が変更を希望する場合
認証された農場・団体が審査・認証機関を変える場合、更新審査の扱いとする。新たに申請をする審査・認証機関に対して、現在の審査・認証機関が交付した認証書及び不適合項目一覧を含む審査報告書類一式の写しを提出しなければならない。現在の審査・認証機関が交付した認証書の有効期限が残っていても無効となり、新たな審査・認証機関が発行した認証書の有効期限となる。
(2) 審査・認証機関の事情により変更する場合
審査・認証機関が認定の返上、認定の縮小及び認定の取消しなど、審査・認証機関の事情により農場・団体が審査・認証機関を変更する場合、取得した認証は有効期限まで継続する。維持審査を受けていない場合、新たな審査・認証機関が維持審査に該当する移行審査を行い、認証を維持することができる。
この場合、変更前の審査・認証機関は日本GAP協会に当該農場の認証書及び不適合項目一覧を含む審査報告書類一式(次回審査への申し送り事項を含む)の写しを提出しなければならない。変更後の審査・認証機関は日本GAP協会から前述の審査報告書類一式を受け取り、移行審査の資料としなければならない。

8.9 臨時審査
(1) 審査・認証機関は、自らが認証した認証農場・団体に対するJGAP認証に関する著しい信頼性欠落に係る苦情や情報をもとに、当該農場・団体に対して臨時の審査を実施することができる。臨時審査は、当該の農場・団体へ訪問して実施する。

(2) 審査・認証機関は、臨時審査の審査日について48時間(2営業日)より前に通知を行ってはいけない。
健康上の理由等の正当な理由がある場合、農場・団体は臨時審査を拒否することができるが、審査・認証機関は速やかに別の審査日を設定しなければならない。

(3) 臨時審査は、(1)のJGAP認証に関する著しい信頼性欠落に関係するJGAP基準文書の該当部分を確認する。ただし、作業実態を確認しなければ信頼性が審査できない場合には、審査のタイミングを考慮する。また、審査報告書には臨時監査であることを明確にわかるように記録し、認定機関及び日本GAP協会に報告する。それ以外については、通常の審査・認証と同様である。臨時審査の費用は農場・団体が負担する。
(4) 日本GAP協会は、審査・認証機関による臨時審査が不十分であると判断した場合、独自の調査を実
施する(本規則17.4 参照)