生鮮野菜を衛生的に保つためにはどうしたらよいか

食中毒事件が起きると、消費者の健康に被害がでるだけでなく、原因と疑われる食品への信頼が失われ、経済的に大きな損失がでる可能性があります。
生鮮野菜は、肉類と比べて微生物が増えにくいと言われており、食中毒を起こす微生物に汚染される可能性は低いと考えられます。それにも関わらず、生鮮野菜が原因と考えられる大きな食中毒事件が海外で報告されています。
衛生的に生鮮野菜を管理する習慣があっても、万が一、栽培から出荷までの過程で問題が生じれば、生鮮野菜が食中毒を起こす微生物に汚染されてしまうかもしれません。このような事が起きないよう、栽培から出荷までの過程で注意を怠るわけにはいきません。

 

生産段階の野菜も汚染される可能性があります
食中毒を起こす微生物には、動物やヒトの腸管の中にいて、ふん便とともに外に出されるものや、もともと土や水などの環境中にいるものがあります。
野菜を生産する際は、水や家畜ふん堆肥、作業者の手などを通じて、野菜が食中毒を起こす微生物に汚染されてしまう可能性があります。 実際に、近年、海外では、生産段階で汚染された野菜
が原因とされる大きな食中毒事件が起きています。

野菜を十分に加熱すれば、それに付いている食中毒を起こす微生物のほとんどが死にます。しかし、中には加熱しても生き残るものや、微生物そのものは死んでも、熱で壊れにくい毒素を残すものもあります。
加熱せずに生で食べる野菜では、洗浄や消毒によって食中毒を起こす微生物を減らせますが、完全に除くことはできません。また、温度や栄養などがこれらの微生物にとって都合の良い条件になると増えたり、少量で食中毒を起こしたりすることもあります。
このため、特に生で食べる野菜は、その生産段階でも、食中毒を起こす微生物を「付けない」「増やさない」ための衛生管理が必要です。

私たちの体の表面や、周りの空気や土壌などの環境には、目に見えない微生物がたくさんいます。
微生物の中には、例えば、味噌や漬物などの発酵食品を作るときに使う有用なものもいれば、食中毒や、野菜の病気・腐敗の原因となる有害なものもいます。野菜を作るときは、有害な微生物に気を付けなければいけません。
この指針は、食中毒を起こす微生物を対象にしています。その主なものに、腸管出血性大腸菌やサルモネラなどの細菌、ノロウイルスなどのウイルスがあります。

1 mmの約1000分の1 ‚ 1 mmの約100万分の1
‚ 自分の力で増殖できる ‚ 生きた細胞の中でしか増殖できない
これらの食中毒を起こす微生物は、野菜を腐らせる微生物とは種類が違います。ただし、食中毒を起こす微生物の汚染を防ぐための取組により、野菜を腐らせる微生物も減って、品質がより長く保たれる可能性があります。

生鮮野菜を衛生的に保ち、食中毒が起きないようにすることは、消費者の健康を守るだけでなく、食中毒事件による経済的な損失を防ぐことにもつながります。生産段階での対策をいま一度確認し、実践しましょう。

 

(1)栽培に使う水の管理
○ かん水や薬剤散布など、栽培に使う水が、河川やため池等の地表水、地下水、水道水のいずれなのかを知る。(水道水や、地域の保健所等が飲用にできると認めた水を使うことが望ましい。)
○ 地表水や地下水を使う場合、その水路やバルブ等が、動物ふん等の汚物や、家畜ふん堆肥で汚れていないか、定期的に観察する。また、大雨や洪水の後にも、汚れていないか観察する。 

観察した結果、水路やバルブ等が汚れていたら、 ‚ 汚れている所を清掃するとともに、今後、汚物や家畜ふん堆肥が水に流れ込むのを防ぐよう努める。
‚ 汚れが残っている間は、収穫直前に、その水が野菜の可食部に直接かかるようなかん水(頭上かん水)を行わない。また、その水を、野菜の可食部にかかる薬剤の希釈に使わない。

○ 家畜ふん堆肥の製造では、 ‚ 切り返し等により、全体に空気が入るよう努める。
‚ 副資材(例:もみがら、おがくず)の利用等により、水分を調整するように努める。
‚ 70℃の発酵が数日間続くようにすることが望ましい。
○ 原料の家畜ふんや製造途中の堆肥が、出来上がった堆肥にふれないようにする。
○ 他者から入手した家畜ふん堆肥をそのまま使う場合は、これらの事項を守って作られたものであることを
確認するよう努める。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA